山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部
【9月 トピックス】
◆廃業する例も
個人企業では後継者難が続いているようだ。
後継者がおらずに廃業する例も増えているという。
全国各地で見られる街の中心部のアーケード街がシャッター街になっているのも事業主の子息が後を継がず、土地を離れる例が多い。
何とか彼らを土地に押しとどめ、親の会社を継がせることはできないのか。
日本では他国と比べて開業率が低い上に、従来の企業が廃業することになれば、さらに日本全体で活気がなくなっていくことになる。
このため最近では、企業の情報を蓄積している金融機関が後継者選びの支援に回っているようだ。
また、後継者選びが難しいのは大企業でも同様だ。特に個性の強い創業者が一代で築きあげた大物社長がいる有名大企業では、後継者と目された人物が実力のある創業者の目にかなわなかったために短期間でその企業を去り、後継者選びが振り出しに戻るような例が複数件報じられている。
◆難しい社長の後継者選び
後継者を選ぶことは難しいし、育てるのも難しい。
後継者として生え抜きを登用すべきか、それとも外部の人材を登用すべきか。
前者の場合、ナンバー2は側近として大物社長を支えてきた人物だ。この人物が、果たして次の社長にふさわしいと言えるのか。社長を傍で支える参謀としての能力と、経営トップとしての能力は異なる。若いころから異彩を発揮した大物もいるだろうが、そうした者は往々にして個性が強すぎて、個性の強い創業者の社長とはソリが合わない場合が多く、経営の中枢として社長ポスト獲得レースの最後まで生き残る例は少ないのではないか。
他方外部から人材を登用する場合、他企業で実績を上げたとしても、また国際経験は豊かだとしても、その業界なり、その企業の事情に精通している者は少ないだろう。また、彼らは所詮サラリーマンだ。有名大企業のナンバー2であったとしてもサラリーマンであり、経営者としての素質を備えているわけではない場合が多いのではないか。彼らに経営者の素質が十分にあるなら、早くに企業を立ち上げているはずだ。
右肩上がりで、業界も安定していた牧歌的な時代は良かった。
誰が社長になっても業績は上がる。
社長の椅子もスゴロクで言う「上がり」のポストとなっている例が多かった。短期間で後進に道を譲るのだ。というよりも、次の後輩が自分の後釜に控えており、社長ポストに長居(ながい)はできない。
ただ今の時代は違う。
この先ももっと大きな変化がありそうだ。
マーケットをたびたび混乱させる灰色のサイも厄介だが、100年に一度はずのブラックスワンも目立つようになってきた。
こうした中では、よほどの実力がある世界のトップ企業であっても、トップであり続けることは難しい。環境の変化、また技術の進歩と変化の速度も加速度的に早まっている。
大物社長のいる大企業の後継者選びは特に難しい。
N会長のN社のように。S会長のSグループのように。また山口発で衣料小売業界の大企業になったY氏のF社のように。
(学23期kz)
山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部
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