京大出身・N岡先生の風貌

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年5月 トピックス】

岡山支部からの投稿

◆鳳陽会東京支部のHPに山口大学教養課程のN岡先生(物理)について

kzさんの投稿があった。N岡先生は京都大学で学ばれた気鋭の学者だった。

 私は、若き日のN岡先生の思い出を興味深く読んだ。おそらく、それから10年くらいたった先生の姿はkzさんもご存知ではないかもしれないと、後輩の私が筆を執った。

 毎週日曜日に楽しみにしているNHKの「光る君へ」風にkzさんへの返歌として書こう。

◆N岡先生は若くして教授になられていた。そしてその当時の授業の不文律のひとつ、授業開始時間より少し遅れて来られ、少し早めに終わる。この鉄則を励行されていた。

その授業はかなり難しい内容をさらりとやさしく講義されていた。時折、長髪を左手でかきあげる姿がいかにも京大出の先生の風貌であった。

◆入学したての学生にはある意味カルチャーショック的な場面に遭遇した。

ある春の晴れた日、先生は教壇に立ってこういった。

「今日はとてもいい天気だし、みなさんもソフトボールでもしたいでしょ。じゃあー、今日は机の上での授業はやめにして、みなさん、外で過ごしてください」

 そして先生は“風と共に去りぬ”(笑)となった。

 いつもふらりとあらわれ、楚々として(本来は女性向けの表現だが)去っていく、究極の姿であった。

 今、還暦過ぎにして思えば、大学入試で疲弊していた姿に映ったであろう教養生に、大学の自由さ、ONとOFFの切り替え、よく遊び、そしてよく学ぶ!ことの大切さをN岡先生一流のウィットで伝えたのかもしれない。しなやかに教えてくださったのではなかろうか。 

◆N岡先生を始め、山口大学教養部の自然科学の教授陣は充実していた。特に地学の村上教授、生物学の岡嶋教授の講義は印象深い。老練な教授が40年たっても陳腐化しない教養を授けてくださった。

 教養部無用論さえあった当時であるが、“専門馬鹿”ではない、ほんの少し幅広い視野で物事を眺めることが身についたとすれば、その恩恵は大きい。

 (岡山支部 B)

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