山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部
【2023年4月トピックス】
◆過信
私は元来身体が丈夫な方だと思っていた。中学、高校は運動系の部活に入っており、体を動かすのが好きで、社会人になっても土日や休日には必ず汗を流す。
食欲も旺盛で、風邪で咳が止まらないときも、また熱が出たときも食欲は落ちない。出かける時、「行ってきます」と言うところを「いただきます」と言い、「ご苦労さま」とねぎらうところを「ごちそうさま」と、よく言い間違える。よほど食い意地が張っているのだろう。朝食の時には今日の昼飯に何を食べるか作戦を練りながら箸を運ぶ。
定期健康診断ではコレステロールや中性脂肪が多少高い程度であり、医者と相談して薬を続けていたものの、健康には自信があった。
◆予兆
還暦を少し過ぎた頃、近くのスポーツジムの会員になり、早朝からサイクリングを始めていた。
ある時から、朝起きた直後からサイクリングに出かけるが、ペダルを踏むと胸の真ん中がつかえたような違和感を覚えるようになった。胸の真ん中を2~3度叩けば、つかえたものが簡単にストンと落ちそうな軽微な違和感でもあった。
サイクリングから戻ると胸のつかえは止む。
仕事には全く支障がなく、仕事が終わった後、同僚とよく酒を飲んでいたが、酒の席で胸の違和感のことを話した先輩からは「恋煩いじゃないか」と冷やかされ、笑い話で終わっていた。
しかし、どうも気になる。症状のキーワードを入れてウェブ検索したところ「虚血性狭心症」と出た。
◆医者の見立て
「朝一番の運動と胸のつかえ」・・・これを話せば、専門家から異変の原因と適切な手当のアドバイスをもらえるに違いないと思い、職場の産業医の所に向かった。一通りの検査のあと医者が出した答えは「50%の確率で逆流性食道炎。そうでなければ肺、あるいは胃の上部の問題」ということであった。
◆セカンドオピニオン
朝いちの運動で出る違和感は取れなかった。産業医は言うことは間違ってはいないと思ったが念のため、セカンドオピニオンを求めて自宅近くの公立病院にかかり、産業医にかかったことは伏せて、検査を受けた。
すると奇妙なことに、その医者も全く同じ診断を下した。「5割の確率で逆流性食道炎・・・。今度症状が出たら内視鏡を飲んでみましょう」。
何か変だ。
食道炎という割には食道から酸っぱいものは上がってこないのだ。
それならそれで、大したことはないと思い、これまで通りの生活を続けたが、朝イチの運動に伴う胸のつかえは取れなかった。
(学23期kz)
山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部
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