ノーベル賞考 ④数学

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2026年3月 トピックス】

◆日本の経済学者でノーベル賞が取れないのは、経済学部に数学

が必修になっていなかったからという説がある。

学問の王様・・・数学。

近代経済学は数学がないと始まらない。

マルクスは経済が苦手だったようで、だから数学が苦手な者は

マル系に走ったというのは偶然か。

◆ホモ・エコノミクス

近代経済学では、もともと合理的な人間を前提とし、コストを最小化し、効用を最大にするように経済行動をすることが前提となっている。

人間を「ホモ・エコノミクス」としてとらえ、モデルを展開するのは良いとして、ナマの人間は四六時中、合理的に動く機械ではない。

人間だからこそ、非合理な行動をとることがよくある。

人間らしい、あるいは人間臭いということは、人間が謎多き非合理な存在であることと同義だ。

個々人がそれぞれ、過去に照らした行動のほかに、予想を織り込んだ行動をする複雑な現実の姿を正確に捉えることは不可能に近い。

では、合理的とは言えない人間の行動パターンを把握するにはどうすればよいか。

このためには人間の行動を後追いで膨大なデータを集め、統計学の仮設検定を用いた行動モデルの構築も含め、データを分析・解析するデータ・サイエンスも有用だ。

◆こうしたことから文系でもデータ分析能力を学ぶ学部の新設が増えており、文系でも、数学や統計学など理科系の能力を養成する傾向が強まっている感がある。

東大や東北大など国立のトップ校で、地球温暖化、AI、再生エネルギーなど複雑化する社会的且つ地球的な問題に取り組むには情報処理・技術・工学などの理工系の素養と同時に、公共政策、国際政治、国際法などの文科系の素養が必要で、文・理融合しないと問題に対応するのが困難になるためだ。

これまで理工系の分野では「STEM(ステム)教育」いう言葉があった。

最近ではこれに文科系のアート(Art)を加えたSTEAM(スティーム)教育が国際的に重視されているという。

大学の中で文理融合学部の新設の動きがあるのはこうした流れを受けたものだ。

そこでは入学時当初は専攻分野を決めず文理横断の先端分野を学び、3年時に専門分野を選ぶという。

◆これまでは特に私立の文系で数学を受験科目から外し、募集人員(入学希望者)

を増やす例が多かったようだ。

経済学部で数学を受験科目に入れると、募集人員が集まらず、受験検定料はあまり入ってこない。

検定料は入学金とともに大学にとって重要な収入源の一つとなっているというのに。

共通テスト代が2万円弱、国立の2次試験が2万円弱。私立では3万円程度。

しかし、今後はそうはいかないかもしれない。

私立文系の経済学部にとって、頭の痛いところだろう。

(学23期kz)

出展 日本経済新聞

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