カメルーン

1983年2月3日、初めてカメルーンの地に降り立った。当時の首都はドアラ。

当時カメルーンと日本とは国交がなかったが、幸いにもロンドンのカメルーン大使館にて半日でビザを取得。

ハマターン(Harmattan/サハラ砂漠からの砂塵を含んだ貿易風で、太陽がかすみ、空気中に砂塵が漂う)、トカゲ、羽を広げると20cmはあるカブト虫、町中どこを見渡しても黒人ばかり。町の隣はすぐそこがジャングル。

日本とは国交がない国(当時)だから、日本のTOYOTAと描かれた車を見かけても現地の人はフランス車と言う。ほとんどの輸入はフランスからの輸入に起因するからだろう。

客先との面談時間に遅れないように到着。客先から出かけようとした対向車をよく見ると面談相手が、正に出かけようとしている。

「来たのか?」と一言。

アポなんて存在しない国のようだ。

夜、支店長宅に立ち寄った。門番が家の前で倒れている。

てっきり死んでいるのかと思うと、支店長がまたかと呟き、クラクションを鳴らす。

むくっと起きて、普通に門を開ける。

暑いから、地面に寝た方が涼しいとの理由らしい。

不思議な体験だった。

学23期  倉田一平(ペンネーム)

ういろう② 薬

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月 トピックス】

お菓子の「ういろう」の源流となった「ういろう薬」、これに興味を持った。

外郎家(ういろうけ)の自前の万能薬、いわゆる「透頂香(とうちんこう)」のことだ。

仁丹にも似ている。

◆成分

「ういろう」薬の主な成分を調べてみると、龍脳、タンニンを含んだ阿仙薬、桂皮となっており、芳香の成分としてムスクが使われている。

◆薬の効能

この薬は万能薬であり臭い消しとしても使われ、時の天皇から透頂香(とうちんこう)」という名前を賜ったが、これにはいわれがある。

薬の外側がはげると、芳香を発する。このため、朝廷では冠の中に留め置くと、時の経過とともに芳香が漂よった。また兜の蒸れによる悪臭予防の意味もあり、身体を守るお守りの意味も込めて、武士の間でも兜の中に忍ばせていたという。

透頂香(とうちんこう)」は何に効いたのか。

痛み、頭痛、歯痛、胃痛

消化器系では、胃痛、下痢、胃腸炎、食欲不振、嘔吐

気管支系では痰のつかえ、気管支炎

循環器では心臓病、そのほか、酒の悪酔いや日射病にも効くらしい。

◆コロナ禍で

コロナはどうか。

コロナに効けば申し分ないのだが。

効能の中にはまた、伝染病にも効くと書いてある。漢方でのコロナ退治。

また、ういろう菓子も分包してあり衛生的。コロナの時代に合っており、甘さも控えめで身体に優しいかもしれない。

◆400年の長寿企業

意外にも、身近な方も、カバンに、またハンドバッグに忍ばせていることが分かり、これには驚いた。根強い人気があるのだ。

薬と菓子の外郎家100年続く「センテナリアン企業」どころか、スーパーセンテナリアンの400年企業だった。

(学23期kz)

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ういろう① 菓子

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2022年2月 トピックス】

小田原に勤めていた友人から「ういろう」菓子を頂いた。菓子の箱には「小田原銘菓」、「室町時代から受け継ぐ食感と風味」とある。

山口にも、蒸し菓子の「ういろう」があり、山口土産として郷里に買って帰ったことがある。

◆「ういろう」・・・そうだったのか

その昔、中国元王朝の時代のことだ。浙江省で医術に通じ、薬も調達する「大医院礼部員外郎」という官職に就いていた陳延祐なる人物がいた。

しかし、仕えていた元王朝が明に滅ぼされたため、二朝に仕えることをよしとせず、陳延祐は筑前博多に渡る。いわゆる亡命だ。その際、彼は名前を「陳外郎=ちん・ういろう」と名乗る。辞書をみると外郎の「外」の読み「うい」は唐音とある。すなわち「ういろう」とは、元を辿れば中国の官職名の一部だったようだ。

陳外郎氏は医者としての腕も良く、調合した自前の薬も、苦みはあるが「万能薬」のように良く効いた。

医の腕と薬の評判は京にも届き、時の将軍・足利義満からお声が掛かり、外郎家二代目の時外郎家の居を京都に移す。

この薬、いわゆる外郎氏の「ういろう薬」は、薬としての効能だけではなく、冠の中に忍ばせておけば薬の表面が溶けて芳香を放つ効能もあった。このため、時の天皇から「透頂香(とうちんこう)」という名を賜ったという。

◆ういろう菓子

京にあって、外郎家では朝廷の典医を務めると同時に国賓等の饗応の役回りもこなすうちに、薬の苦い味を消すために菓子を作ることを考えた。

苦い薬と甘い菓子。

この菓子は、薬とのつりあいが良かったようで、「外郎(ういろう)氏の菓子」として評判になり、「ういろう」菓子が誕生した。

その後、五代目の当主の時、北条早雲が小田原にを築くにあたり外郎家が招かれることになり、城下小田原に移り住んだという。

小田原の外郎家では、外郎家の自前の万能薬である「ういろう薬」=「透頂香(とうちんこう)」と共に、お菓子の「ういろう」を売っている。

◆山口の銘菓に

ういろうは各地の土産になっている。早いところでは尾張・名古屋でも1600年代には、ういろうが作られていたようであるが、名古屋より山口の方が少し早く創業している。

なぜだろう。

中四国の覇者になった第24代・大内弘世公が京に魅せられたことが影響しているかもしれない。弘世公は京に似た街づくりを始め、正室を京の三条家から迎えるが、その時すでに姫は菓子「ういろう」を口にしていたかもしれない。

弘世公は姫君孝行だ。姫が淋しがらないように源氏ボタルを取り寄せて喜ばせ、また屋敷中を人形で埋め尽くして楽しませた。大内人形の起こりだ。

そうしてみると、姫を喜ばせるために、弘世公がいち早く京から菓子職人を呼んだのかもしれない。あるいは姫がねだったのか。

外郎と豆子郎

九州にはあまり見ない菓子で、読みにカナが振ってない。

ふざけ半分に「げろう」、「まめごろう」と読んだ友人がいた。

この外郎、山口では江戸時代から御堀にあった福田屋が作っていたが、先の大戦で後継者がいなくなり、福田屋の職人が「御堀堂」を立ち上げたという。

また、豆子郎の方は外郎の改良版で昭和23年の創業。創業者は外郎が好物のエンジニアだったようだ。参入した菓子業界では「しろうと」のため、「しろう」をつけ、「新参者で幼い」意の「豆」をつけたという。

小田原の土産の話に戻るが、頂き物のういろう菓子を早速食べてみた。

いかん。

差し歯が抜けかかり、健康な歯も持っていかれそうになった。

小田原の外郎はかなり粘着度が高いようだ。

学生時代、山口で食べた外郎で、こんなことはなかった。

若い時と違って、私の歯が情けなくなったのだ。きっと。

(学23期kz)

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家電ご相談センター勤務

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【2023年2月トピックス】


電機メーカーに勤務していた私はサラリーマン時代の最後の職場(49歳~1年7ヶ月)が異動で、本社組織ではありましたが、世田谷区桜新町にあった家電のご相談センターというところとなりました。

サラリーマン時代の大半を広島とか横浜の支社(店)で過ごした私は、家電以外の官公庁や一般産業向けの電気設備やエレベータ等の重電、半導体、コンピュータ関連製品等を取り扱う営業の最前線のスタッフを長く経験しましたが、販売ルートの異なる家電の分野は全くといっていいほど未経験でした。

具体的には、全国のお客様からの家電製品のフリーダイアルでのお問い合わせに対して、電話で応対するコールセンターのようなところでした。
その為、電機メーカーに勤務していたものの、時代に背を向けた(笑)私の自宅には家電製品らしきものは殆んどなく、買い込みました。

洗濯機は全自動ではなく、二槽洗でした。
全自動洗濯機、電子レンジ、クリーナー、ビデオ、DVD装置、CS放送機器、文字放送、除湿機、ホームベーカリー等の新製品を一気に買い込んだ。
何しろ使ったことがないので、お客様がご使用の商品の問い合わせやお買い物相談にもまともに答えられない。
いくら電話対応とはいえ、受け応えがいくら丁寧でも、商品知識とかが備わっていないと話にならないし、ある程度自社の商品を使いこなしていないと相談にもならない。
ベテランの相談員の人など一日に80~90件の電話相談をこなすような人もいたが、平均でも40~50件位はこなす人が多かった。

私も一生懸命に取り組んではみましたが、せいぜい20数件で30件を超えたのは一度くらいでほとんど記憶にない。
目に見えない、誰からかかってくるかわからない電話というのは、私のようなものは勿論、ベテランの人でも緊張を強いられる。
中には、保証期間を数日過ぎた頃に故障したが、どうしてくれるといったものまで含まれる。
商品知識がないので、取扱説明書を見て自力で対応しようとするが、時間がかかり、結局、グループリーダ的な人に個々の案件ついて相談することになり、電話応対に時間がかかる。
ビデオ操作上のこちらの説明上のミスでトラブルになって、1件の問い合わせに半日かかったこともありました。

「料理教室デビュー」の次号に続く

(学22期 Y・Y)

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大学授業料に思う④

【学生へのエール】

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

我々は少なくとも授業料の面で、今の学生諸君よりも恵まれた世代であったことは述べたとおりだ。

こうした状況でのコロナ禍。

求人数も減り、学資を稼ぐアルバイトに就くのも難しく困窮学生も出た。

◆恵まれていた世代、今もなお・・・

こうした学生に恵まれた世代はどう向き合うべきか。

一般的に、現役世代はフロー(所得)が中心でストック(資産)が少ない。

年金中心の高齢層は逆で、フローは少ないが、これまでコツコツと蓄えた貯蓄に加え、なにがしかの退職金もあり、資産リッチになっているはずだ。

こうした場合、貧富の差の調整、すなわち、恵まれた層から恵まれない層に富を移転させる再分配装置の一つとして税がある。

しかし現在の税制はフロー(所得)に税を賦課するのが中心だ。所得税、法人税然り。消費税でもそうであり、そうであるならば、この下では所得を多く稼ぐ若者が税を多く負担し、逆に所得の少ない高齢者の負担が軽くなる。

では、高齢者が多く保有する資産への課税はどうか。

資産への課税は薄い。

先ず、国税にはストックに課税する資産税や財産税はない(相続税については後述)。

固定資産税は不動産というストックに課税されるが、国税ではなく地方税だ。

すなわち国の懐には入らないため、国の所得再配分の財源としては使えない。

また株や投信などの高齢者が多く保有する金融資産の利子や配当に対しては優遇的な分離課税が適用されており、高齢者に優しい税制になっている。

財政支出についてみても、年金・医療・介護など各種福祉の施策は手厚く、これまた高齢者に有利になっている。

要は高齢者はシルバー民主主義の恩恵にたっぷり浴しているということだ。

すなわち、国として恵まれた層から恵まれない層への富の移転にはあまり期待はできない。

しかし、こうした中で、恵まれた層の思いが直接届くような若者支援、しかもピンポイントで効果が生じる個人的な富の移転行為として寄付という手がある。

◆身の丈に応じて

我々の子どもたちは我々の現役の時とは異なり、所属先の会社の各種福利厚生が削減され、親としての我々に頼ることが増えている。また、孫が居たら居たで出ものも多い。

話はそこから先だ。

こうした家族・親族支援もさることながら、最近は生活苦にある後輩の山大生諸君を少しでも応援できないかと思うようになってきた。

もちろん、身の丈に応じ、できる範囲での話だ。

◆相続税をにらんで

平成27年以降相続税の基礎控除が引き下げられ、相続税を払う例も多くなっている。しかし納めた相続税の分はどこに使われるか不透明だ。恵まれない学生に効率よく向かうとは限らない。

相続税が出そうな場合、何がしかをピンポイントで学生支援に回す、すなわち寄付も望ましい選択肢の一つだと思うようになった。一回限りの思い付きでもいいのだ。

高齢者と若者。

若者への丈に応じた小さな支援。

運命共同体という言葉は大げさだが、高齢者と若者が共倒れにならないためにも、配意しないといけないなという気がしてきた。

大学卒業50年。

歳のせいかもしれない。

・・・完

(学23期kz)

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大学授業料に思う③

【大学へのエール】

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

国立大の授業料は安くない水準になっているが、大学の収入全体の中での位置づけをみると、授業料収入は支出の15%程度にとどまるという。今後日本の18歳人口は確実に減少していくのであり、授業料収入に期待はできない。

授業料以外、どのようにして収入が確保されているのか。

国からもらえるのが運営費交付金や補助金。これで賄えるのが全体の支出の約3分の2で、残りは寄付金などだという。

2004年の国立大学法人独法化に伴い、大学運営の自由度が増した代わりに、国からの運営費交付金が削減されることとなった。

収入の大どころは運営費交付金だ。しかしこれは毎年1%づつ削減されることになっており、大学としては、競争的資金や外部資金の導入に追われている。なぜ高等教育予算は窮屈になってきたのか。

それを乗り越える手立てはないのか。

◆文科省のライバル

予算は各分野、各事業、それを取り纏める各省庁が担当して予算が配分される。

全体のパイ(予算)は限られている。この中で予算を少しでも多く獲得しようと各省庁がしのぎを削る。

当然ながら、パイ、すなわち集まった税収を、どこに、どれだけ配分するかは緊急性、重要性を比較考量して決まる。

各省庁では、その必要性について業界団体を巻き込んで、膨大なデータを用い、分厚いペーパーを作成し、事業の必要性を訴え、予算要求してくる。

大学予算を含む文教予算は文部科学省が所管する。

想像しても文科省の競争相手は強敵が多い。

高齢化問題、雇用問題、コロナ対応を抱える厚生労働省。経済・中小企業、エネルギーを所管する経済産業省、地震・災害を担当する国土交通省、中国・北朝鮮問題を抱える防衛省、また欧米や中・露との外交問題を所管する外務省などなど。

どの役所も緊急的かつ重要な課題を抱えている。

こうした中にあって、彼らライバルを押さえ、文教予算を取ってくる必要があるのだが、これは至難の業だ。

文教予算の中には幼児教育、義務教育、中等教育もさることながら、ここで焦点を当てたいのは「大学」の高等教育予算だ。

大学向けの予算を引っ張ってくるには、世論、納税者を納得させるだけの効果をエビデンスをもって示す必要があり、予算の査定当局や重要閣僚、果ては総理に対して緊急性・重要性を認識させ、納得させる必要がある。

◆大学のパフォーマンス

しかるに日本の大学のパフォーマンスには疑問が投げかけられているのが実情だ。イギリスの教育関連情報誌「Times Higher Education」2023年でみた「大学の競争力」は、1位がオックスフォード大で96.4点。

他方、日本国内で敵なしの感がある東大は75.9の39位。

世界のトップ100校で日本の大学の名が出てくるのは68.0点の京大のみ。しかも両校とも昨年よりランクを落としている。

数年前は東大もランクが多少は上に位置し、100位以内に日本の大学は数校が入っていた記憶があるが、ランクダウンが続いており、いまだに歯止めがかかっていないのは情けない限りだ。

◆学生の就職先

また、大学の就職先の話でも、ショッキングな話がある。

最近の学生は4年制の大学を出ても、実際の職場には短大や高卒程度の職に就いている者も多いというのだ。

こうした中で、文部予算、中でも高等教育予算を拡大させることは関係者や一般納税者の理解を得るのは難しい。

◆正々堂々と正面突破

世論や納税者を納得させるにはデータを示すことだ。これまでデータ化や計量化しにくかった分野でも工夫してデータで示すことが重要だ。調査や研究も差別化し、独創性・専門性を高めることが必要であることは言うまでもない。

これまで大学改革が叫ばれてきたが、改革が進展しなかったのには大学改革に対する評価の在り方の問題も挙げられている。

一般的に、学内、あるいは大学関係者などいわゆる身内だけの甘い評価制度が問題になっているとの話はよく聞かれる。

また情報の開示も渋るべきではない。

むしろ、情報を積極的に開示し、データ化し、また教育の成果を上げて成果を示し、正面から正々堂々と予算を取りに行くような取り組みをすべきだ。しかも中長期的に取り組んでいかないと効果は出ない。

◆教育はみんなで

大学では調査や研究も大事だが、これは車輪の片方。もう一方は教育だ。

学生に良い教育を施すには、熱く指導できる教員の方々存在が要る。

しかしこの要件は必要条件であるが、十分条件ではない。

教員だけではなくより多くの関係者を引っ張りこむのも一考だ。

学生の教育を大学の先生たちだけのものにとどめてはいけない。大学改革に向かう学長、学長を補佐するスタッフ職員、大学職員の方々はもちろんのこと、学生の親、地元企業、地元自治体、それに加え卒業生も一体となって学生教育を支えるべきではないか。

鳳陽会の卒業生もこれまでも、世界で、また日本の中枢で活躍した社会経験豊富な同窓生があまたいる。場合によっては、各業界で人材採用の担当者になっている卒業生もいるはずだ。

学問を学び、世に出ていく学生に対して、時には相談に乗り、ある時はヒントやアドバイスを与えることで何がしか貢献できるのではないかと思う。

大学教育は、より開かれたものであってほしい。

・・・続く

(学23期kz)

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上田鳳陽先生の風貌

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

鳳陽先生はどのようなお顔立ちだったかご存知か。

先生の画像はないかと問われたことがある。

以前、上田鳳陽先生についてこの欄で書いたことがあるからだ。

(トピックス・アーカイブ参照:2022年3月16日掲載「上田鳳陽先生」)

そういえば鳳陽翁の肖像画は今まで見たことがない。

しかし山大の建学の祖だ。

ないことはないはずだ。

何かしらあるのではないかと思い、探してみた。

◆画像を求めて

インターネットでは出てこない。

それでも何かしらあるのではないかとヒアリングを掛ける。

先ず国会図書館。

尋ねると、「上田鳳陽」で4件ヒットしたが、画像はないという。「幕末維新人物ガイドブック」を出している山口市ふるさと創生部文化交流課に問い合わせたらいかがかとの示唆を受ける。

しかし鳳陽翁は幕末の人物ではない。

それでも一応山口市に問い合わせてみると、やはり画像はないとの答えが返ってきた。

次は山口大学広報課。

創基100年、150年、200年とイベントを催したはずだ。

しかし、ここでもないとの回答。

山口県立博物館に聞くも、ここでも空振り。

ただ、博物館では上田鳳陽先生についての著作を書かれた職員の方と話ができたが、その職員の方は画像がなかったため、代わりに大内御堀にある鳳陽翁の墓の写真を掲載したそうだ。

その職員の方から、県の文書館に問合せをしてみたらどうかとのアドバイスを受ける。

ここでダメならすべはないのだろう。

以前、どこを調べても分からなかったときは、旧い歴史に関して専門家が頼る県立文書館に尋ねたことがあり、ラストチャンスという気持ちで問い合わせた。

県立博物館に電話がつながる。

ここでアドバイスを受けた。

「山口大学図書館で聞かれたらいかがですか」

・・・

それでもめげずに、万が一と思い、山大図書館に問い合わせるも、予想を裏切る結果が待っているはずはなかった。

◆作画

建学の祖といえば大学の顔だ。

肖像画が一万円札の絵柄として使われている建学の祖もいる。

しかしそれは私大の話だ。

幕末から維新にかけて英傑が独自の建学の理念を掲げて建学したのは私立大であり、官製大学の場合は事情が異なる

しかし、やはり母校には建学の祖・上田鳳陽翁の肖像画が欲しい。

上田鳳陽先生といえば、残念ながら先生の著作物も見当たらない。このため上田鳳陽研究家もほとんどいないのだろう。しかし、建学の祖・上田鳳陽という名前だけが強く残っている。

やはり肖像画が欲しい。

そこで、画像がないことを奇禍とし、この際、肖像画を作ったらどうかと考えた。

手掛かりは、無きにしも非ず。

上田鳳陽先生の人物像として、山大の資料に鳳陽翁の人物像について以下の説明がある。

読書家で探求心旺盛。

時に真理発見に狂喜し、時に自らを罵り哭くことあり。

晩年も健脚、健眼、食欲旺盛で髪は黒く、情にも厚かった。

長命であり85歳で没。

◆私案

そこで画像を作るにあたり、思いつくまま私案を述べてみる。

第1案 学生、教職員、同窓生など山大関係者からイメージ画像を広く公募。

第二案 芸大、専門家に作画を依頼

第三案 幕末から明治にかけて活躍した長州藩・英傑の合成写真(モンタージュ)作成

第四案 AIによる作画(生成AIについては後述)    

以上四つの案が難しければ、上田鳳陽翁を諦め、別の「中興の祖」を探すという手もある。

しかし、これはこれで選定が難しく、意見がまとまる可能性は低い。また、「上田鳳陽」に比べて知名度は格段に落ちるだろう。

やはり作画だ。

特に最近のAIはすごい。マイクロソフトやイーロン・マスクらが出資する米国の非営利団体AI(人口知能)研究所が開発したOpenAIはチャットGPTがはやり始めたが、作画ができるツールがある。画像生成AIツールの「DALL-E」(2022年7月公開)、より進化した「DALL-E2」がそれで、文章を入力すればAIが作画してくれる(有料、最初の数枚は無料らしいが)。

画像を作るに当たっては色々なやり方があるだろう。

何も一度で決める必要はない。

山大関係者で論議し、上田鳳陽先生のイメージ画を創り出す。

大学祭、文化祭などでのイベントにしても良い。

学生たちにとっても、作画のために鳳陽先生のことを調べ、山口大学の来し方を振り返るのも、意義あることになるのではないか。

山大関係者にとって、おもしろい作業になるように思う。

(鳳陽会東京支部事務局長 葛見雅之)

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houyoukai-tokyo@bc.wakwak.com

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クラシックコンサート

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

私はサラリーマン時代に企業のメセナの一環として企業イメージアップの為、海外のオーケストラを日本に招聘し、全国各地で公演をする冠コンサートのイベント担当を本社で4年間やったことがあります。
東京はサントリーホール中心でした。
東京では一般公演2回と会社の重要顧客を招いての招待公演2回を毎年実施しました。
地方は、仙台、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡での1回の開催でした。

私は音楽とか美術が小学生の頃から大の苦手でしたが、広島勤務時代から、クラシックコンサートに小学校時代の恩師3人を毎年招待していました。
先生からすると、いつも5段階のアヒルが横を向いた2の成績だった自分の教え子が、それも中年の40代半ばからこんな仕事をして大丈夫かなと思われたと思います。(笑)

事務局として世界の巨匠といわれた指揮者にも結構会えました。
2001年にベルリンのドイツ・オペラでの演奏会の最中に54歳の若さで指揮台の上で心筋梗塞で倒れて亡くなった世界的指揮者のドレスデン国立歌劇場管弦楽団のジュゼッペ・シノーポリ氏は忘れられません。
韓国出身の指揮者、チョン・ミョンフン氏も思い出深い人です。
サントリーホールの楽屋裏近くで黒柳徹子さんが、物静かに演奏を終わるチョン・ミョンフン氏を佇んで待っておられるのに遭遇したこともあります。

日頃、あくせくとした毎日を送っているとなかなかクラッシックとはいきませんが、私のような芸術的センスのないものでもコンサートの会場に行くと心が洗われるから不思議です。

写真はサントリーホール入り口前のモニュメント「響」

(学22期 Y・Y)

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大学授業料に思う②

【個人負担か社会負担か】

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

◆安かった授業料の根拠

私が学生当時、国立大学の授業料は「公共料金」と同様にみなされていた。

「教育の機会均等」、すなわち金銭的に恵まれていない者にも教育が受けられるよう、公共料金に対する物価抑制の一環として授業料が抑えられていたのだ。

すなわち学費は個人負担というよりも、公共的・公益的な観点から、国が多分に負担していた。

しかし、こうした時代は長くは続かなかった。

◆学費3倍値上げ

日本で国立大学授業料が3倍に引上げられた時が3度あった。

先ず昭和24年。

600円が1800円に引き上げられた。

二度目は昭和47年で、12000円が36000円に引き上げられた。

三度目の授業料値上げは私が学部を卒業した直後。

オイルショックに伴う物価高騰から、昭和51年に授業料は36000円から2.7倍増加の96000円となった。

私が大学に在籍していた当時経験したのが二度目の引き上げ時期にあたる。

ではこの時、どのような要因で学費が値上がりしたのだろう。

大学進学率が高まり、その受け皿として1960年代から私立大学が多く設立されていくが、公費負担が薄い私立大の学費は高い。そうすると国立大と私大の間で、学費の格差が問題となってくる。

この時に持ち出されたスローガンが「(私大の学費との)格差是正」であった。

結局、私大の授業料にサヤ寄せされる形で、国立大の授業料が上がっていったのだ。

◆値上げの容認

この時、反対運動はなかったのか。

学費値上げの際も、学生の抵抗はあったものの、親からの不満はさほど出なかったという。

学費の出し手は親だ。他の出費を抑えても教育を受けさせたいとする親の姿勢があった。

もう一つの要因がある。

大学出が特権階級という意識だ。

我々の親世代で大学を出た親は、周りを見渡してもごくわずかだった。親としては自分ができなかったことを実現して欲しいという気持ちから、無理をしてでも、子息には高等教育を受けさせいという心情があった。これは理解できる。

一般的に大学出が特権階級視、エリート視されるのは大学進学率15%未満だとされる。鳳陽会でいえば学10期あたりまでに相当する。

私の入学時には大学進学率が30%台で、卒業時には40%台に急上昇し、エリートでも何でもなくなった時代になった。

しかし、当時もそうだが、大学進学率が50%を超えた今でも、親から見て大学出はやはり「特権階級」、「エリート階級」という意識から抜け切っていない。

◆受益者負担

「受益者負担」という言葉がある。

教育のメリットは個人に帰属するか、社会に帰属するか。

この線引きは難しい。

公共サービスに対して消費者が直接的に負担するのが受益者負担だ。間接的に税で負担するのとは異なる。

公的な大学教育が、「エリート層」といった限られた層に施される(と認識される)場合、その対価を個人が負担する「受益者負担」と結びつきやすい。

こうしたことから、個人負担への親の抵抗は強くはなかったのではないか。

◆ドイツや東欧の学費は無償

OECDの中で、日本の学費は高い国に属する。もっとも米国や英国ほどではないが。

他方、欧州では学費が格安な国が多い。

それどころか、ドイツやノルウェー、フィンランドなどの北欧諸国、ポーランドやチェコなどの東欧諸国では無償としている国も多い。外国からの留学生を含めて無償という話だ。

この差は何か。

国、すなわち公的負担の差だ。

要は学費無償の国は、教育が社会的に価値あるものとして「設置者負担」という考えのもと、大学の設置運営に対して税金が使われており、このため個人の負担はない。

◆私立大を超えた日本の国立大入学金

独法化した後、大学運営も苦しく、入学金を上げざるを得なかったのかもしれない。

文部省のデータ(平成30年)をみると、授業料こそ私立大が高いが、入学金をみると、国立大が約28万円。これに対し、私立文系が23万円、私立理系は25.5万円となっており、国立大が私立大より高くなっているのだ。

学生にとっても、大学側にとっても大変な時代になった。

・・・続く

(学・23期kz)

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光高校の春の選抜初出場決まる

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

高校野球秋季中国大会で準優勝の光高校の春の選抜初出場が有力視されていましたが、本日(1月27日)、発表されました。
山口大会(3位)に続き、中国大会でも快進撃を続け、準決勝では山口の高川学園と対戦し2-1と競り勝ち。
決勝では広島代表の強豪の広陵高校に5回の守備の乱れもあり、0-13と大敗しましたが、エースの2年生投手の升田君が151球と完投し力投しました。(全試合完投)

私は春夏通じ初の甲子園かと思っていましたが、1993、1994年と夏に2回連続出場していました。
広島在住で山口市ファンクラブに声掛けし、メンバーになっていただいた大学の学部後輩の40歳のTさんが光高校出身で、吉報を心待ちにされていましたが、今日は祝杯をあげられるとか。

私の母校の広島・基町高校は春夏通じ、ベスト16が最高ですが、甲子園は夢の又夢で、私は何度も生まれ変わって期待します。
(入学時、野球部に1ヶ月在籍💦)

写真は光-広陵戦の模様
(学22期 Y・Y)

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

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